2009年7月4日土曜日

アメリカの法律にも有給の病気休暇はない。これ豆知識な。

ニートの海外就職日記というブログが好きだ。この方はシンガポールで働いておられるが、国の数だけ労働スタイルがあるということを改めて思い知らされる。

さて最近の「有給休暇の本来の使い方は、遊ぶため」です。という記事はsick leaveについて書かれている。

何度も書いて来たけど、海外では「有給とは別に」sick leave(病欠給)というモノがあって、年に2週間(シンガポールの場合。入院の場合は60日)まで取得可能(給料も当然全額出て、診察代も会社持ち)だ。もちろん有給には一切手を付けなくてオッケー。
正直、sick leave(病欠給)がない国ってのは聞いた事がない。特に日本は先進国、経済大国wとか言っておきながらsick leave(病欠給)すら定められてなくて、病気で休んだら有給が削られるなんてエグ過ぎるだろ? 

私も最近まで知らなかったが、アメリカの連邦法にも有給のsick leave(病欠)は定められていない。さらに有給休暇の規定さえない。労働政策研究・研修機構のレポートによると、

アメリカでは、労働時間、休憩、休日、年次有給休暇に関して規定する連邦法はない。そのため使用者は、労働組合との労働協約により、労働組合がない場合は労働契約により、所定労働時間等を決めるのが一般的である。

とある。さらに病欠に関しては、

労働者本人の病気、および育児・出産、家族の介護のための休暇を、12カ月の期間中に最長12週間まで、事業主は付与することが義務づけられている。(中略)休暇は無給でよいが、事業主が有給の休暇制度を採用している場合には、その取得分を12週内にカウントすることが認められる。

だそうだ。平たく言えば「病気になったら有給休暇を使って休んでね、有給休暇がない(もともとない・使ってしまったなど)場合は休んだ日の給料はナシ」ということだ。なお、サンフランシスコなど市のレベルで有給の病欠を義務づけているところはわずかにある。

もちろん、福利厚生の一環として、有給休暇に加えて有給での病欠を認めている会社も多数ある。

豚インフルエンザの影響

有給の病欠制度を法律で義務づけようという議論は米国に以前からあったが、この時期になってこれが再燃している。たとえばこのAPの記事

これによると5700万人のアメリカ人が有給の病欠を取ることができず、病気の場合も出勤を余儀なくされている。出勤しないと給料が減らされ、最悪の場合は解雇につながるからだ。ところがそういう人が豚インフルエンザにかかったのにもかかわらず無理をして出勤すると、同僚やお客に接触したり、食べ物を調理したり託児所勤務の場合は子供の相手をしたりすることになる。だから有給の病欠を法律で認めましょう、という論理。

5700万人といえばアメリカ労働者人口の4割くらいだろう。みんなが安心して病欠できるようにしようというシンガポール式の考えは正論だと思うのだが、これが法律になることができないアメリカの文化というのは難しい。

1 件のコメント:

  1. 2009.11.18
    【オバマ】SICK LEAVE 義務化?
    健康保険制度をめぐって議会は白熱の議論を繰り返してきたが、SICK LEAVEも義務化の話題が出てきた。OBAMA大統領はSICK LEAVEの義務化に前向きのようだ。ご存知のように基本的にVACATIONもSICK LEAVEも義務化されているものは現在何もない。ただ、一般的に普及しているために従業員を採用するために、どの企業も提供していると言ってよい。カリフォルニア州ではサンフランシスコ市のみSICK LEAVEが義務化されている。

    私の個人の見解としては、SICK LEAVE義務化は行きすぎだ。企業の自由に任せるべきだろう。昨今、SICK LEAVEといいながら、結局VACATIONとして使う人が多いので、PTO(PAID TIME OFF)として、SICKとVACATIONの区別なく提供している会社も増えてきている。この段階でSICK LEAVEの義務化というのは、時代のニーズに合っていないし、企業負担を重くするだけではないだろうか?

    http://hr.cocolog-nifty.com/sell/2009/11/index.html

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