2008年10月28日火曜日

日本総領事館の対応は神レベル

用事があって日本総領事館に行ってきた。日本大使館はワシントンDCにあり、ニューヨークには総領事館がある。その総領事館の対応がすばらしすぎて感動した。

ビル1階の受付係が日本語ペラペラ

日本総領事館はビルの18階。ビル1階の専用受付で名前や来館理由を書く。この受付、「外人さん」が一人で切り盛りしている。前回に来たときは白人、今回は黒人。そして、この外人さんの日本語がものすごく流暢なのだ。「今日はどのようなご用でいらっしゃいましたか」という敬語をニューヨークの真ん中でそれも外人から聞くことになるとは思わなかった。日本語を話すとは思えないような顔つきをしているのだが、ひょっとすると私より敬語が使いこなせるかもしれない。

「外人さん」、つまり日本人とだいぶ見た目の違う外国人を受付に配置している理由はわからないが、「ここからは日本です、公用語も日本語です、職員も国籍に関わらず日本語です」という意思を感じる。

割り込む人に係員が注意

アメリカの役所で列に割り込む人がいても、役所の人は何もしてくれない。割り込まれた人が悪いのであって、割り込まれた人が自分で解決しなければならない。ところがここ領事館では、割り込んだ人に係員が「恐れ入ります、先の方がお並びですので」と注意していた。

アメリカは人民が動かす国、日本はお上が動かす国だからだ、と言い切ると話が大きくなってしまうが、意外とそういうことなのかもしれない。

用事が終わったら係のおねえさんが……

窓口で手続をする。必要な書類を受け取る。このとき、アメリカの役所だとこちらが「サンキュー」などといい、係員はそれには答えず「はい次の人」と言うのが普通である。ところが領事館は違った。

領事館の窓口で手続を終えた後、「どうも」と言って窓口を去ろうとすると、係のおねえさん、「ありがとうございました」と言って三つ指をついて挨拶された。

もちろん椅子に座っているため机の上に三つ指をつく略式の挨拶なのだが、人に三つ指をつかれたのは何年ぶりだろう。もう一生ないかもしれない。三つ指をつく女性を見学したくなったら領事館に行こう。

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2008年10月14日火曜日

LeopardでApacheを使う・お手軽入門編

LeopardにApacheが入っているのは話に聞いていたが、ちょっとしたAjaxのコードを試したくなりwebサーバを起動した。簡単ではあったがちょっとクセがあるのでメモしておく。

Apacheの起動

デスクトップOSなのに超簡単。

Leopardのシステム環境設定→共有のメニューに進み、「Web 共有」を「入」にする。

これだけで

http://localhost/

が見られるようになるのはすごい。

どうでもいいが「入」「切」って書いてある電気のスイッチを最近見ないような気がする。

トップページを書きかえてみる

なにもせずにhttp://localhost/を表示するとApacheにようこそ、みたいなページが表示される。このファイルの実態は

/Library/WebServer/Documents/index.html(またはindex.html.ja.iso2022-jpなど)

であるため、このファイルを適当に書きかえて保存すればよい。管理者権限が必要。

ちなみに、このディレクトリがどこで設定されているのかというと

/private/etc/apache2/httpd.conf

というファイルである。/privateというディレクトリは馴染みがない名前だが、Leopardでは/etcが/private/etcへのシンボリックリンクなので

/etc/apache2/httpd.conf

に設定ファイルがあると思ったほうが頭に入りやすい。

ともあれ、このhttpd.confの中のDocumentRootがそれである。

# DocumentRoot: The directory out of which you will serve your
# documents. By default, all requests are taken from this directory, but
# symbolic links and aliases may be used to point to other locations.
#
DocumentRoot "/Library/WebServer/Documents"

設定を変えた後は必ず再起動

Apacheの設定を変えた後は必ずApacheの再起動をしなければいけない。上記の「入」「切」のスイッチを使って「切」→「入」としても良いが、ターミナルを使って

sudo apachectl restart

または

sudo /usr/sbin/apachectl restart

としたほうが簡単だ。

UserDir(ユーザディレクトリ)の設定

自分専用のLeopardならば/Library/WebServer/Documents以下のファイルを書き替えてテストを続けてもいいのだが、自分のホームディレクトリ下をブラウザで見られるようにしたほうが後の管理が楽である。URLは

http://localhost/~ユーザ名/

となる。この機能は初期状態のままだと使えないので

/private/etc/apache2/extra/httpd-userdir.conf

なるファイルを編集する。

#
# UserDir: The name of the directory that is appended onto a user's home
# directory if a ~user request is received. Note that you must also set
# the default access control for these directories, as in the example below.
#
UserDir Sites
UserDir disabled
UserDir enabled ユーザ名

<Directory /Users/*/Sites>
Order deny,allow
Deny from all
Allow from localhost
</Directory>

#
# Users might not be in /Users/*/Sites, so use user-specific config files.
#
Include /private/etc/apache2/users/*.conf

の赤字部分を加えればよい。Apacheの再起動後、

/Users/ユーザ名/Sites/index.html

http://localhost/~ユーザ名/index.html

で表示できるようになる。

どうしてpublic_htmlではなくてSitesを使うようになっているのかはよくわからない。

CGIの設定

mod_perlもあるし今どきCGIもないだろうと言われると困るが、お手軽に設定をするのが本稿の目的であるために以下を書いておく。

CGIを使うためには、先ほどのhttpd-userdir.confを開き、以下のように編集する。

#
# UserDir: The name of the directory that is appended onto a user's home
# directory if a ~user request is received. Note that you must also set
# the default access control for these directories, as in the example below.
#
UserDir Sites

UserDir disabled
UserDir enabled ユーザ名

<Directory /Users/*/Sites>
Options ExecCGI
Order deny,allow
Deny from all
Allow from localhost
AddHandler cgi-script .cgi

</Directory>
#
# Users might not be in /Users/*/Sites, so use user-specific config files.
#
Include /private/etc/apache2/users/*.conf

Apacheを再起動した後、/Users/ユーザ名/Sites/hoge.cgiをテスト用に作って実行可能にする。中身はこんな感じにしておけばよい。

#!/usr/bin/perl
print "content-type: text/html\n\n";
print "Hello";

これで

http://localhost/~ユーザ名/hoge.cgi

にアクセスできるようになる。

もしブラウザ上に「Hello」が表示されない場合は、エラーログを見てみるとヒントがあるはずだ。エラーログは

/private/var/log/apache2/error_log

にある。

セキュリティ関係

蛇足ながら、テストが終わったらweb共有を切っておくほうが事故の防止になって良い。

2008年10月12日日曜日

当予備校は××大学に1000名合格者を出しました。我が国はノーベル賞に○名受賞者を……

高校3年生当時の私。中高一貫私立進学校などに通っていたわけではないため、志望の××大学に向けて週に数回大手予備校の高3コースに通っていた。

秋ごろだったろうか、別の有名大手予備校、○○塾からダイレクトメールが来た。だいたいこういう内容。

××大学志望の高3生に特別集中授業を開講します。当予備校厳選の講師が2日間にわたってお届けする内容の濃い授業。費用は教材費の500円のみ。

模擬試験のデータから××大学志望者を選別し、こういうのを送りつけているらしい。○○塾は友達も通っている有名予備校だし、500円というのは良い。さっそく申し込んで受講した。授業の内容は悪くなかったが、所詮2日間だけの講義。効果があったのかどうかはわからない。

春になり、私は××大学に入学した。それと時期を同じくして○○塾が「今年も当予備校から××大学に1000名合格!」のような宣伝を始めた。○○塾に2日間だけ通った私も当然のようにその1000名に数えられており、○○塾発行の合格者名簿にも私の名前が載っていた。

察しの良い方ならとっくにお気づきだろうが、この○○塾は合格者数を増やすために破格の値段で2日間の集中講義を設定しているのであった。

こういう商売は現在でも行われているらしく、塾長をされている方のコラムでも同様の問題が指摘されている。

さて、この問題、なにかに似ていませんか。

asahi.com(朝日新聞社):南部さんは日本人?米国人? 人材流動化で意見百出 - サイエンス

7日の物理学賞発表について、海外メディアの多くは受賞者を「2人の日本人と1人の米国人」と報じた。生まれ育ちは日本だが米国生活が長く、70年に米国籍を取得した南部さんの扱いが異なるためだ。
「南部さんを日本人とカウントしないわけにはいかないが……」。素粒子物理学などの基礎研究を支援する文部科学省は、内部資料としてノーベル賞の受賞者数を国別に毎年集計している。これまでは受賞者の国籍で数えてきた。

ノーベル賞が思わぬ余波! 国籍法改正を検討 自民法務部会   - MSN産経ニュース

ノーベル物理学賞を受賞受賞した南部陽一郎米シカゴ大名誉教授が米国籍を取得していたことを機に、自民党法務部会の国籍問題プロジェクトチーム(座長・河野太郎衆院議員)は10日、二重国籍を認めない国籍法改正の検討を始めた。南部氏はすでに日本国籍を喪失しているが、ノーベル賞受賞が思わぬ波紋を広げたようだ。

日本からのノーベル賞大学合格者を増やすために日本国予備校在籍者を水増しする、と読み取れてならない。

現在アメリカに住んでいて日本にもう2年間帰っていない私は二重国籍が認められたら何かと便利だろうなとは思うが、ノーベル賞が国籍法改正の動機だというのは実にせこい。こういうことを議論している時間があれば、優秀な学者を日本につなぎ止めておく方法とか、海外の著名な教授を日本の大学に呼び寄せる方策とかを考えればと思うのだが、世の中は予備校の大学合格者数をどうやって多く見せるか程度の論理で動くものらしい。