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2009年3月25日水曜日

アメリカ人「日本人なのにアニメを見ないのは人生の無駄づかいだな」

日本人だからアニメを見るだろうと言われても困るのである。

海外のアニメファンにとって日本といえばまずアニメという連想が働くらしく、日本人の私は親しげに話しかけられる。日本人は全員アニメが好きだと思っているアメリカ人さえいるが、アニメが好きかどうか以前に私は映像作品自体をほとんど見ない。DVDを買ったことはないし最後に映画を見たのは10年前のことだ。

 ◇ ◇ ◇

友人にP君という人がいる。ユダヤ系のアメリカ人で超真面目な男であるが、日本のアニメが大好きである。このP君、私が唯一の日本人の友達なのでいつも構ってほしがる。

P君「ナルトのDVDは全部持ってるし英訳の単行本もあるんだけど日本語の単行本がほしい。どこで買えるのかな」

日本語の単行本のほうが話が先に進んでいるから日本語で読みたいらしい。ニューヨークにある紀伊國屋書店で聞いてみればいいのでは。

P君「デスノートのあの部分には矛盾があると思うんだが、なぜかというと、……」

ごめん、デスノートという言葉自体初めて知った。

P君「ユーギオーの続編は出ないのかな」

続編もなにも、私は本編を知らない(註:米国では一年だけテレビ放映されたそうです)。

 ◇ ◇ ◇

あまりに話が噛み合ないので申し訳ないと思い、提案をしてみた。

私「最近のアニメは知らないけど、20年以上前のアニメならわかると思うよ」

目を光らせるP君。

P君「じゃあ君、ジャイガンターは知っているね」

私「そんなの知らないよ」

P君「日本語だとタイトルが違うのかな。ちょっとiPhone貸してみて。YouTubeで検索してみよう」

鉄人28号! これなら知ってる。異国アメリカでジャイガンターという名前になっていたとは。

P君「ジャイガンターは僕たちが生まれる前からアメリカのテレビで放映してたよ。主人公の少年はジミーだ」

ショータローじゃないのか。本当に詳しいなこの人。

 ◇ ◇ ◇

P君「それにしても、日本人のくせにアニメ見ないって本当に信じられない。人生の無駄遣いしてるよ」

そこまで言うか。

ちなみにP君の夢は日本を訪れて秋葉原と三鷹の森ジブリ美術館に行くことである。

2008年10月28日火曜日

日本総領事館の対応は神レベル

用事があって日本総領事館に行ってきた。日本大使館はワシントンDCにあり、ニューヨークには総領事館がある。その総領事館の対応がすばらしすぎて感動した。

ビル1階の受付係が日本語ペラペラ

日本総領事館はビルの18階。ビル1階の専用受付で名前や来館理由を書く。この受付、「外人さん」が一人で切り盛りしている。前回に来たときは白人、今回は黒人。そして、この外人さんの日本語がものすごく流暢なのだ。「今日はどのようなご用でいらっしゃいましたか」という敬語をニューヨークの真ん中でそれも外人から聞くことになるとは思わなかった。日本語を話すとは思えないような顔つきをしているのだが、ひょっとすると私より敬語が使いこなせるかもしれない。

「外人さん」、つまり日本人とだいぶ見た目の違う外国人を受付に配置している理由はわからないが、「ここからは日本です、公用語も日本語です、職員も国籍に関わらず日本語です」という意思を感じる。

割り込む人に係員が注意

アメリカの役所で列に割り込む人がいても、役所の人は何もしてくれない。割り込まれた人が悪いのであって、割り込まれた人が自分で解決しなければならない。ところがここ領事館では、割り込んだ人に係員が「恐れ入ります、先の方がお並びですので」と注意していた。

アメリカは人民が動かす国、日本はお上が動かす国だからだ、と言い切ると話が大きくなってしまうが、意外とそういうことなのかもしれない。

用事が終わったら係のおねえさんが……

窓口で手続をする。必要な書類を受け取る。このとき、アメリカの役所だとこちらが「サンキュー」などといい、係員はそれには答えず「はい次の人」と言うのが普通である。ところが領事館は違った。

領事館の窓口で手続を終えた後、「どうも」と言って窓口を去ろうとすると、係のおねえさん、「ありがとうございました」と言って三つ指をついて挨拶された。

もちろん椅子に座っているため机の上に三つ指をつく略式の挨拶なのだが、人に三つ指をつかれたのは何年ぶりだろう。もう一生ないかもしれない。三つ指をつく女性を見学したくなったら領事館に行こう。

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2008年10月12日日曜日

当予備校は××大学に1000名合格者を出しました。我が国はノーベル賞に○名受賞者を……

高校3年生当時の私。中高一貫私立進学校などに通っていたわけではないため、志望の××大学に向けて週に数回大手予備校の高3コースに通っていた。

秋ごろだったろうか、別の有名大手予備校、○○塾からダイレクトメールが来た。だいたいこういう内容。

××大学志望の高3生に特別集中授業を開講します。当予備校厳選の講師が2日間にわたってお届けする内容の濃い授業。費用は教材費の500円のみ。

模擬試験のデータから××大学志望者を選別し、こういうのを送りつけているらしい。○○塾は友達も通っている有名予備校だし、500円というのは良い。さっそく申し込んで受講した。授業の内容は悪くなかったが、所詮2日間だけの講義。効果があったのかどうかはわからない。

春になり、私は××大学に入学した。それと時期を同じくして○○塾が「今年も当予備校から××大学に1000名合格!」のような宣伝を始めた。○○塾に2日間だけ通った私も当然のようにその1000名に数えられており、○○塾発行の合格者名簿にも私の名前が載っていた。

察しの良い方ならとっくにお気づきだろうが、この○○塾は合格者数を増やすために破格の値段で2日間の集中講義を設定しているのであった。

こういう商売は現在でも行われているらしく、塾長をされている方のコラムでも同様の問題が指摘されている。

さて、この問題、なにかに似ていませんか。

asahi.com(朝日新聞社):南部さんは日本人?米国人? 人材流動化で意見百出 - サイエンス

7日の物理学賞発表について、海外メディアの多くは受賞者を「2人の日本人と1人の米国人」と報じた。生まれ育ちは日本だが米国生活が長く、70年に米国籍を取得した南部さんの扱いが異なるためだ。
「南部さんを日本人とカウントしないわけにはいかないが……」。素粒子物理学などの基礎研究を支援する文部科学省は、内部資料としてノーベル賞の受賞者数を国別に毎年集計している。これまでは受賞者の国籍で数えてきた。

ノーベル賞が思わぬ余波! 国籍法改正を検討 自民法務部会   - MSN産経ニュース

ノーベル物理学賞を受賞受賞した南部陽一郎米シカゴ大名誉教授が米国籍を取得していたことを機に、自民党法務部会の国籍問題プロジェクトチーム(座長・河野太郎衆院議員)は10日、二重国籍を認めない国籍法改正の検討を始めた。南部氏はすでに日本国籍を喪失しているが、ノーベル賞受賞が思わぬ波紋を広げたようだ。

日本からのノーベル賞大学合格者を増やすために日本国予備校在籍者を水増しする、と読み取れてならない。

現在アメリカに住んでいて日本にもう2年間帰っていない私は二重国籍が認められたら何かと便利だろうなとは思うが、ノーベル賞が国籍法改正の動機だというのは実にせこい。こういうことを議論している時間があれば、優秀な学者を日本につなぎ止めておく方法とか、海外の著名な教授を日本の大学に呼び寄せる方策とかを考えればと思うのだが、世の中は予備校の大学合格者数をどうやって多く見せるか程度の論理で動くものらしい。

2008年3月7日金曜日

日本総領事館に行ってきた

ニューヨークには日本の大使館がないかわりに総領事館というものがあります。窓口では大使館と同じく、ニューヨークとその周辺に住む日本人に各種サービスを提供したり、日本に行きたい外国人にビザを発給したりしています。

先日、用事があってこの総領事館に行ってきたのですが、なかなか新鮮な経験でした。

1. 窓口のおじさんがとても日本的。

「お疲れさまでございます」と、とてもニューヨークでは聞かれないような台詞を言われました。「あ、日本語っていいな」と思いました。書類ができたら「○○をお待ちの××さん、お待たせしました」と。日本語は良い。

2. 外人の相手をしている窓口のおじさんも日本的。

隣の窓口に来ていたアメリカ人っぽい青年。青年の声は聞こえませんが窓口氏の声は聞こえます。どうやらビザ申請に持ってくるべき書類が足りなかったらしい。赤坂にあるアメリカ大使館なら入館自体を断られたりするところですが、窓口のおじさんは「いやー、その書類がないとちょっと困るんですよねえ」と(英語で)あいまいに返事をしていました。「そこをなんとか」と言ったらなんとかなりそうな雰囲気でした(本当はなんともならないんでしょうけれど)。

3. 警備がものものしくない。

東京のアメリカ大使館は警備が中も外も厳しく、少しでも怪しい動きをしようものなら人が集まってきそうですが(試していません)、この総領事館は空港と同様の荷物検査のみ。アメリカ大使館のように携帯電話を取り上げられたりはしません。

4. 館内のテレビで福田首相が見られる。

恥ずかしながら、福田首相をはじめてテレビで見ました。私の頭の中では福田官房長官で止まっているので、とても新鮮でした。NHKテレビの福田首相はライス国務長官と会談をしていました。

5. 日本の新聞が読める。

ニューヨークで発行されている日本語のフリーペーパーはもとより、朝日新聞も日経新聞もありました。インターネットのおかげで日本語に飢えることはありませんが、活字の日本語をこれだけ見られるのはありがたいことです。

6. 日本の工芸品もある。

日本のひな祭り人形があったり、版画が掲示されたりしています。これを税金の無駄遣いという見方はあるでしょうけれど(実際にギャラリー分の家賃を考えると巨額だとは思う)、日本と縁遠い生活をしている私には心に染み入るものがありました。

7. 周辺に日本のレストランがたくさん。

ラーメン屋、おにぎりカフェなどが徒歩圏内にありました。総領事館のあるエリアは日本企業も多く日本人が多く住んでいるのだそうですが、こういうところに住んだら日本食に困らなさそうです。

日系スーパーにも日系レストランにもあまり行かない私ですが、そういうわけでこの総領事館は楽しい訪問となりました。機会があればまた行きたいところですが、当面総領事館に行くような用事はありません。とりあえず用もないのに行って、受付で来館目的を書くときに「おじさんと日本語の会話をしてテレビを見て新聞を読むために来ました」と書いたら入れてくれるかなあ。無理だろうなあ。